滴塾ブログ（鷲津商店街）

正月といえば津軽三味線。今やフライデーコンサートの一月の指定席となりつつあるように感じます。

前回は、一門による迫力ある合奏でしたが、今回は何とユニット。雅會家元の中野貴康さんと代範の鈴木啓詠さんの息のあった、見ごたえのある演奏は、観る者をとらえてはなさない素晴らしいものでした。

繊細で、ダイナミックで、リズミカルで、ピアニシモからフォルテシモまで自由自在で、早弾きあり、超技巧あり、確かな緊張感の中、すっかり魅了されてしまいました。

津軽じょんがら節などの合奏だけでなく、家元伴奏での代範・鈴木さんの歌、シンセサイザーの伴奏にのせたヒーリング系の音楽、「仁太坊」物語の三味線での表現など、三味線のこれからの可能性、方向性を感じさせてくれました。

特に家元の演奏は卓越していて、身のこなしから、手首のしなやかさ、見事なバチさばき、そしてそこから出てくる音色は、深い味わいがありました。

また代範の鈴木さんも、コンクールの課題曲の演奏は見事で、プログラムを進行していく際のトークも良かったです。歌も数曲披露してくれましたが、よくとおり、伸びのある、素敵な歌声でした。また、師匠がソロを弾いている時、その横で、目をつぶって姿勢を正し、神妙に聞き入っている姿は、日頃から尊敬している心があらわれているようで、大変好感をもちました。

会場を見回してみて、観客の年齢層は、高いと感じましたが、是非若い方にも観てもらいたいと強く思いました。来年もお二人のユニットでの、素敵な演奏を期待してやみません。